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ペットボトルをろ過膜にアップサイクルする技術をサウジアラビアの大学が開発

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2018年にPET(ポリエチレンテレフタラート)の世界生産は5120万トンに達し、プラスチック生産全体の7,7%を占めた(PlasticsEurope の発表より)。

通常、PETは衣類の布などの低価格製品にダウンサイクルされるが、今回プラスチックボトルをろ過膜にアップサイクルする技術をサウジアラビアのKing Abdullah University of Science and Technologyが開発。

・リサイクルPETを溶解して膜を生成

化学産業では、蒸留や結晶化などの熱を要するプロセスにおける化学物質の分離・精製に多くのエネルギーが使用される。

多孔質膜を使用して液体から分子を分離すると、エネルギー消費を大きく削減できるが、ほとんどの従来の膜は堅固ではなく、それに代わるセラミック膜は高価なことが多い。

そこで研究チームは、リサイクルPETを溶解して、ポリエチレングリコール(PEG)と呼ばれる添加剤を使用して膜を生成した。PETを使用した理由は、PETが機械的および化学的に堅固で、滅菌または酸や漂白剤による洗浄を必要とする、ろ過および精製プロセスに役立つためだ。

そして、研究者らはPEG分子の濃度とサイズを変更しながら、膜内の細孔の数とサイズを制御し、ろ過特性を微調整することに成功した。

・摂氏100度でも機能

その結果、最良の膜は、細孔の幅が35〜100ナノメートル、細孔が膜面積の最大10%を覆うもので、摂氏100度でも十分機能したという。

現在、研究チームはPET中空繊維(繊維内が中空の繊維)の開発にも取り組んでいる。今後のさらなる研究開発が期待される。

King Abdullah University of Science and Technology

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