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Tech Googleの「シカモア」が一番乗りで”量子優位性”を達成! IBMは否定

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Googleの「シカモア」が一番乗りで”量子優位性”を達成! IBMは否定

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Googleの設計した量子プロセッサ「Sycamore(シカモア)」が、量子コンピューティングにおけるブレークスルーを達成したとして話題になっている。

Natureにて公開された論文によれば同社の量子システムは、最先端のスーパーコンピューターで計算すると約1万年かかるタスクを3分20秒で完了したとのこと。

今回の実験で、古典コンピューターでは不可能なタスクが実行できた(量子優位性の達成)とすれば、量子コンピューターは実用化に向けての大きな一歩を踏み出したことになる。

・誤り訂正技術で忠実度を高める

量子コンピューターは、量子ビットの増加とともに指数関数的に大きな計算空間が得られ、理屈では複雑なタスクも桁違いのスピードで処理できるようになる。ただ、量子システムは極めて不安定なため、エラー率をいかに軽減するかが課題となっている。

Googleはすでに72量子ビットの量子プロセッサ「Bristlecone(ブリスルコーン)」を開発しているが、今回の実験で採択されたSycamoreは、53量子ビットが正常に機能するもの。優れた誤り訂正技術を導入し、量子ビットを理想の状態に近づけている。

ところで、将来量子コンピューターが実用化されれば、現在の暗号システムが機能しなくなる(256bitの暗号鍵を破るのに約2300量子ビット必要)ほか、創薬やデータ解析などでも技術革新が起きるとされる。量子優位性の達成は、量子コンピュータ-実用化に向けての重要なマイルストーンだ。

・1万年ではなく2.5日で計算可能

ただ、Googleと同じく量子コンピューティング技術の開発に注力するIBMは、ブログにて“Googleの実験は超伝導ベースの量子コンピューティングの進歩を示す優れたデモンストレーション”としながらも、同実験で量子優位性を達成したとは認めていない。

具体的には、Googleが主張するタスクのコスト計算に問題があるとし、同社が古典的コンピューターで1万年と見積もる計算時間を2.5日で可能としている。

今回のGoogleの偉業をMicrosoftやIntel、あるいは中国科学院といったライバルがどう見るかには大変興味があるが、基本的には科学にとっての歴史的なステップと捉えて良いのではないか。

参照元:Quantum supremacy using a programmable superconducting processor/Nature
On “Quantum Supremacy”/IBM Research Blog

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