5人乗りの機体が垂直に離陸して一定の高度に達したのち、水平に飛行するという、スムーズなトランジッションがみてとれる。同社はまた、機体を製造する初の施設が本社敷地内に完成したことも明らかにした。
・時速100キロ超
同社の機体「Lilium Jet」は左右に伸びる主翼と尾翼を擁しているのが特徴で、その翼部分に計36の全電動エンジンが搭載されている。このエンジンが離着陸のときは垂直方向に向き、推進するときは水平方向に向く。5月時点では離陸してしばらくホバリングし、着陸するのみだったが、今回のテストでは周遊していて、飛行スピードは時速100キロを超えたという。同社はフライトテストの第一段階を終了した、としている。
・第二の製造施設にも着手
また、映像の公開とともに、同社はミュンヘンに置いている本社敷地内に、機体を製造する施設を完成させたことも発表した。施設の広さは3000平方メートルで、すぐ近くで第二施設の建設にもすでに着手しているとのこと。完成すれば、同社がサービス開始を目指す2025年には年間数百機の機体の製造が可能になる見込み。
サービス開始を目指す2025年までにはまだ時間はあるものの、同社の空飛ぶタクシーは着実に現実味を帯びてきている。
Lilium
(文・Mizoguchi)