今回は長時間飛行による健康面への影響などを調べるテストフライトで、実際に商用運航するかどうかは年内に判断する見込みだ。
・ライトや食事で時差ボケ対策
長時間フライトに関しては主に2つの問題がある。燃料の持続など技術的なものと、搭乗する人の体への影響だ。今回のフライトでは、主に人体への影響を測った。長時間フライト、特にタイムゾーンをまたぐものだと時差ボケは避けられない。今回の試験飛行では時差ボケ対策の試みとして、客室内のライトや食事の調整が実施された。
具体的には、通常ナイトフライトでは出発後間もなく夕食を提供してすぐに照明が落とされる。しかし今回は到着地の時間に合わせてまず昼食として食事を提供し、離陸後6時間は客室内の照明を明るくしていた。加えて乗客にストレッチのような軽い運動も促したという。
その一方で、パイロットの脳波や注意力、メラトニン量なども測定され、こうしたデータは今後分析される。
・11月にロンドン便も
今回のテストは超ロングフライト導入を検討するプロジェクト「Sunrise」の一環で、ロンドンーシドニー間のフライトを11月に、そして12月に再びNY−シドニー間のフライトを実施するとのこと。今回のフライトは乗客・乗員合わせて49人にとどめている。本来の定員280人を乗せた場合、燃料の問題はどうなのか。その点も含めての定期運航の検討となるようだ。
Qantas
(文・Mizoguchi)