研究チームは、実用化はまだ先になるとしながらも、四肢麻痺を抱える患者にとっては大きな希望となりそうだ。
・脳信号をキャッチ・伝達
研究結果を発表したのはフランスのグルノーブルアルプス大学のチーム。四肢麻痺の男性の頭骨にディスク型のワイヤレスセンサーをインプラントし、男性の脳信号をキャッチして外骨格スーツに送るようにした。簡単にいうと、男性が考えることで外骨格スーツが動き、これにより歩くという行為が可能になるというもの。
・動作のイメージ訓練
実際にはまず、男性が手足を動かそうとするときに脳のどの部分が活発になるのかといったマッピングを実施。そして男性は、コンピューター上のアバターを使って「歩く」「ものを手で触る」といった動作をイメージする訓練を受けた。その結果、装着した重さ65キロもある外骨格スーツを制御して歩くことができたという。
男性が倒れないよう、天井から吊ったハーネスでサポートをする必要があるなど、このシステムはまだ完全ではない。それでも開発チームは「麻痺を抱える人の生活の質を向上させることができる技術」としている。
研究結果は専門誌「Lancet Neurology」に掲載された。
Lancet Neurology