高齢化が進み、電動車椅子に対するニーズが増える中、IoTでリアルタイムに電動車椅子の利用状態を見守り、高齢者が安心して移動できる仕組みの構築を目指す。
・車椅子の傾きを検知
実験は、スズキの電動車椅子「セニアカー」にNTTコムがGPSや車載器センサー、SIMカードなどを搭載して行う。これらセンサー類により、電動車椅子の位置情報はもちろん、傾きなども検知できるようになる。具体的には、車椅子が転倒するなど異常が検知されたら、家族にメールで通知するようになり、こうした仕組みが適切に作動するかを検証する。
・実験後はサービス拡大も
実験は数十台規模で10月末まで全国で行われる見込み。両社によると、実験終了後は、電動車椅子が登録エリア外に出た事実や異常走行も検知・通知するなど、サービスの拡充を検討する。高齢化社会が進み、また近年、高齢者の運転による自動車事故が相次いでいることから、電動車椅子は脚光を浴びている。
セニアカーは最高時速6キロで、高齢者が座って楽に移動できる乗り物だが、操作を誤り転倒する、外出したまま戻らない、というのはあり得ることだ。今回のIoT技術ではそうした動きを素早く把握できるようになる。
今後一層高齢化が進んで、電動車椅子の利用者が増えるのは必然で、こうしたサポートは不可欠のものになるはずだ。
NTTコミュニケーションズ
(文・Mizoguchi)