・「湿り感」と「なめらか感」を同時に認知する仕組みを解明
山形大学の研究チームによると、「しっとり感」という感覚については、「湿る程度に濡れていたり、適度に水分を含んでいる様」と定義されているという。しかし実際には、液体を含まない固体に触れたときにも「しっとり感」は感覚として認知されているそうで、この仕組みのメカニズムについては長く不明なものとされていた。最新鋭の摩擦評価装置を駆使して実施された今回の研究によって、皮膚に加わる力学的刺激との関係を解析に成功。モノに触れた瞬間に大きな摩擦抵抗が加わり、それが速やかに減少すると「湿り感」と「なめらか感」が認知されることが新たに解明された結果となった。
・様々な分野への応⽤に期待
今回の発見は、例えば、化粧品や衣類に活用することで高級感を演出できるプロダクトの開発などに生せる可能も。さらに、よりリアルな触感も体験できるバーチャルリアリティコンテンツなどを開発する上で有用であるとも指摘されている。VR空間での触覚デザインの研究は現在重要視されている研究の一つ。まさに味覚、嗅覚などと同様、議論や研究が重ねられている最中にある。そんな中、今回の山形大学の研究はVR空間内での表現に大きな可能性をもたらすことになるのではないだろうか。
山形大学