RFIDタグなどのように、読み取りデバイス(リーダー)の送信する無線信号を、エネルギーとして利用するセンサーもあるが、通信距離が短いとの弱点がある。
こうしたなか、MITの研究者は太陽電池を組み込んだセンサーを開発した。このセンサーは自己給電により、数年間センシングデータを送信し続けることが可能。活用シーンも豊富だ。
・RFIDタグの通信距離が5倍に
縮小した太陽電池により給電するセンサーはこれまでも開発されてきたが、製造コストがかかるうえにかさばり、透過性も低いことから用途が限定される。MITの研究者は、製造が容易でコストが抑えられ、そのうえ薄くて透明にもなる「ペロブスカイト太陽電池」に目を付け、これを安価なRFIDタグに統合した。
通信範囲1m未満のRFIDタグに対し、その5倍の通信が可能。データ送信範囲が長いため、複数のセンサーからのデータを1つのリーダーで収集できる。
・屋内の長期的なデータ収集にも
効率よくエネルギー変換するペロブスカイト太陽電池には、複数のセンサーを接続して強化できる。さらに、今回開発の太陽電池は、日中の屋外は当然のこと、暗い室内でも照明から電力供給できる。この仕様は、配送物や建物内のエネルギーなんかの幅広い対象を監視できることを意味する。
研究者の実施した実験で、センサーは屋内と屋外の両方で、数日間にわたって温度をセンシングし、継続して送信した。
今後は温度だけにとどまらず、湿度、圧力、振動、汚染などにセンシング対象を拡大していくとのこと。
参照元:Photovoltaic-powered sensors for the “internet of things”/MIT News