「パワーアシストスーツ」採用を決定したのは、世界パラ・パワーリフティング(WPPO)競技大会。東京2020パラリンピックでの「パワーアシストスーツ」採用決定とともに、パナソニックとWPPOはオフィシャルサプライヤーとなるパートナーシップ契約を締結した。
同競技で、競技の補助員が「パワーアシストスーツ」を着用することにより、バーのプレート(おもり)着脱などの作業負担を軽減することが目的となる。
・最大50kgの競技用プレート交換作業を行なう補助員を支援
パラ・パワーリフティングは、下肢に障がいのある選手によるベンチプレス競技で、男子は49 kg級から107+ kg級、女子は41 kg級から86+ kg級までそれぞれ10階級ある。各階級に合わせて、プレートの交換・追加作業を競技補助員が行う。ただ、公式試合で使用されるプレートは、1つ10~50 kgの重さがあり、補助員は数人いるものの、大きな大会となるとプレートの取り外しを1人で100回以上行わねばならないこともあるという、大変な重労働である。
そこで登場するのが「パワーアシストスーツ」。作業をする人が装着するタイプのロボットで、作業者の手足の動きをセンサーが感知し、それに応じてモーターが作動し筋力をサポートする。
今回提供が決まった「パワーアシストスーツ」は、「ATOUN MODEL Y」。床面付近から腰の高さでの荷物の持ち上げ下げの際に、腰の負担を軽減。空港や工場、物流・建設・農業現場など、重い荷物の上げ下げを頻繁に行う作業現場で活用されている。
・実証実験を重ね、正式採用決定へ
これまでパナソニックは、WPPOの協力のもとパワーアシストスーツの実証実験を、「2017パラ・パワーリフティング ジャパンカップ」や、「北九州2018ワールドパラパワーリフティング アジア―オセアニアオープン選手権大会」などで行ってきた。実験の結果、「プレート着脱作業の安全性の向上」「プレート着脱作業時間減少による大会時間短縮」「補助員のパフォーマンス向上」「補助員の筋肉痛や身体的負担の軽減」「競技者の安心感の向上」といった効果を確認できたため、パラリンピックでの提供が決定したという。
同社は今後も、パラリンピックのワールドワイドパートナーとして、パラリンピック大会の運営をサポートしていく意向だ。
ロボットをその身にまとうという、まるでSFのような世界はもう現実のものになってきている。私たちの生活に身近な技術として、ますます定着化していくのだろう。
パナソニック プレスリリース
パナソニック パワーアシストスーツ
PR TIMESリリース