今回、この世界のサンゴ礁の危機に立ち向かうべく、イスラエルのネゲヴ・ベン=グリオン大学とテクニオン・イスラエル工科大学の研究チームが、3D印刷したサンゴを開発し、生きているサンゴ礁と新しい魚の生息地の再現実験を行った。
・バイオプラスチック製の人工サンゴを海中に設置
この研究の目的は、魚の「良い家」を作ることと、魚が好むデザインを調べること。研究者らは、バイオプラスチック製の人工サンゴを作成する方法を見つけることに焦点を当てた。まず、天然のサンゴモデルをスキャンして、さまざまな素材と色、サイズと形、プリンターを使って実験したあと、4つのサンゴシェルターを3D印刷した。
その後、人工サンゴを紅海の北東海岸のサンゴ礁と大学研究所の近くに設置して、数か月間継続的に監視を行った。
・次の研究ステップは大きなサンゴ礁のユニット設計
その結果、魚は3D印刷されたサンゴを容易に受け入れただけでなく、天然の生きたサンゴよりも人工サンゴのいくつかのデザインと色を好んだという。ネゲヴ・ベン=グリオン大学のShashar教授は、「魚にとって、サンゴの色が重要であることを知って驚いた。色を識別できる魚は、色のないシェルターよりも色のあるシェルターの方を断然好む」と語っている。
次の研究ステップは、単一のサンゴではなく大きなサンゴ礁のユニットを設計すること。研究チームは、急速に消滅しつつあるサンゴ礁を保護・復元するためのより良い方法を見つけることで、環境問題を支援していく考えだ。
Ben-Gurion University of the Negev