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ロボット魚が外来魚にストレスをかけて生態系崩壊を抑制!米大学が研究報告

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カダヤシという魚をご存じだろうか。カダヤシはメダカによく似た体長3~5cmのアメリカ原産の魚だが、その分布を広げ、在来の魚や両生類の数を減少させている。2009年には国際自然保護連合により、世界の侵略的外来種ワースト100に指定されている。

現在、毒物や捕獲を通じてカダヤシの増殖を制御する試みも行われているが、失敗したり、他の野生生物に害を与えたりする場合も少なくない。そこで今回、ニューヨーク大学と西オーストラリア大学の研究者が、カダヤシにロボット魚でストレスをかけて、その繁殖を抑制する実験を行った。

・オオクチバスを厳密に再現したロボット魚

研究チームは、オオクチバスの遊泳パターンと外見を厳密に再現したロボット魚を開発し、週に1回15分間、カダヤシの群れをロボットのオオクチバスと一緒に泳がせる実験を6週連続で行った。

ロボット魚の動作は実験ごとに異なり、いくつかの試行でロボットは、生きているカダヤシとの相互作用に基づく、リアルタイムのフィードバックを取り入れながら、捕食行動に典型的な攻撃をするようにプログラミングされた。

そして、カダヤシとロボット魚の相互作用を追跡して分析し、魚の体重と体長を毎週測定した。

・ロボット魚がカダヤシに影響を与える

体重の減少は反捕食者の顕著な反応で、エネルギー貯蔵量の低下を示す。そして、エネルギー埋蔵量の減少は、長く生きることを困難にし、繁殖の可能性を低下させる。

実験の結果、このロボット魚が、実験室の設定でカダヤシに強力で永続的な影響を与えることが実証された。今回の研究チームの研究は、外来種の恐怖反応を誘発するためにロボットを使用した最初の研究となる。

論文の筆頭著者である西オーストラリア大学のGiovanni Polverino氏は、「これらの影響が野生の個体群に影響するかどうかを判断するためには、さらなる研究が必要だが、我々は外来種の拡散に対抗する新しい効果的なツールを確立するために、いま多くの作業を進めている」と述べている。

NYU Tandon School of Engineering

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