トップ20入りした企業の傾向
調査の結果、第1位となったのは、マーケティングプラットフォーム「b→dash」の開発をおこなうフロムスクラッチで、このたびの調査では唯一100億円の調達を行った企業だ。第2位は、「Autoware」を活用し自動運転システムを開発するティアフォーの90億円、第3位は、小型SAR衛星「StriX」の開発を行うSynspectiveの87億円と続いた。全体的に見ると、ディープテック系とSaaS系のスタートアップ企業が上位にランクインしている。トップ20のうち6社が宇宙ロケット、ロボット、自動車などのディープテック系企業(ティアフォー・Synspective・MUJIN・Spiber・アストロスケールホールディングス・GROOVE X)。
SaaS系の企業で上位にランクインしたのは、フロムスクラッチ、SmartHR、ヤプリである。特に、2019年7月に発表されたSmartHRの61.5億円は注目を集めた。アメリカで上場しているSaaS企業の売上継続率の中央値は120%を超え、SlackやZoomなど伸び盛りの企業にいたっては、売上継続率140%〜180%にも上る。SmartHRの売上継続率は現在130%近く、アメリカのSaaS系の成長企業にも見劣りしないと言えるだろう。
さらにSaaS系の企業に関して注目したいのは、海外企業からの投資が目立つという点だ。フロムスクラッチには、KKRがリード投資家として40億円を出資している。KKRはこれが初の日本国内スタートアップへの投資となった。また、SmartHRに出資したLight Street CapitalはSlackやShopify、Uberといった世界規模の企業への投資実績がある。SmartHRはもう1社、海外企業から調達しているが、社名は未公開。
日本と世界をつなぎ、国内成長産業の飛躍を目指す
このたび調査結果を公開した「STARTUP DB」は、フォースタートアップス株式会社が運営する国内最大級の成⻑産業領域に特化した情報プラットフォームであり、10,000社を越える日本のベンチャー・スタートアップ企業の情報を保有。また、起業家・投資家、エコシステムビルダー、累計100名以上のインタビューコンテンツのリリースを行っている。2019年6月24日には英語版をリリースし、世界最大級のベンチャー企業データベース「Crunchbase」とデータ連携することで、日本企業の情報を海外のプロフェッショナルに届け、国内の成⻑産業領域市場の発展を目指す。
同社は、日本最大級のスタートアップイベント『SLUSH TOKYO』の企画・協賛も行うなど、日本の成⻑・発展に貢献している。
日本企業の魅力や実績が海外投資家に正しく届くことで、海外企業・投資家からの資金調達の機会が増えることを期待する。
PR TIMES