「Vision Mercedes Simplex」は全体的に1900年から1901年にかけて製造された「メルセデス 35 PS」を彷彿とさせ、クラシックにモダンが融合したデザインとなっている。
・35 PSのスピリット
車に詳しい人ならご存知だろうが、35 PSは1901年にフランスのニース–ラ・テュルビーであったレースでデビュー。馬車を思わせるような外観ながら、床からのびるポールの上にハンドルがくるデザインなど近代自動車のモデルとなった。
この35 PSのスピリットがVision Mercedes Simplexでは再現されている。座席はひとつながりになったソファスタイルの2人掛けで、ハンドルもフリースタンディングとなっている。
・フロントにディスプレイ
現代ではデジタル機器が搭載されるのが当たり前となっているが、Vision Mercedes Simplexのダッシュはかなりシンプル。必要最低限の情報のみを表示することで、ドライバーは運転に集中できるようになっている。
デザイン細部にこだわっているこのコンセプトでは、ソファスタイルの座席や、車の外側のカラーを中央で分けたカラースキームなどもポイントだ。
加えて、フロントのグリル部分にディスプレイを持ってくるなどクラシックの中に未来感も漂わせている。
このデザインはあくまでもコンセプト。しかし、こうした遊び心のようなものが今後のプロダクトに生かされるのかもしれない。
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