米国の人気俳優ウィル・スミスの長男でラッパーのジェイデン・スミス氏が中心となり、2014年以降水道水汚染が問題となっている米ミシガン州フリント市で、設置がすすめられている。
・地域住民に清潔な水を届ける可動式浄水システム
フリント市では、2014年以降、化学物質が含まれたフリント川を水源としたことで、銅製の水道管が腐食し、水道水の鉛汚染が深刻な問題となっている。フリント市のファースト・トリニティ宣教バプテスト教会では、全米から寄付されたペットボトル水を地域住民に配布してきたが、ペットボトル水の寄付量は次第に減少し、より効率的で持続可能なソリューションを模索していた。
そこで、スミス氏は、2019年3月、「The Water Box」の第一号機をファースト・トリニティ宣教バプテスト教会に寄付。
毎週木曜日の午前11時半から午後1時まで、地域住民に開放され、無料で給水できる。
これまでに8539ガロンの清潔な水が供給され、ペットボトルの消費量を6万8000本以上削減した。
また、「The Water Box」で浄化された水について透明性と信頼性を高めるべく、水質検査を実施しており、その結果は公式ウェブサイトで公開されている。
・「The Water Box」のさらなる設置に向けて寄付を呼びかけ
スミス氏の寄付により、2019年6月には、地域のコミュニティセンター「Sylvester Broom Empowerment Village」にも第二号機が設置された。スミス氏らが創設した非営利団体「501cTHREE」では、「The Water Box」の設置台数をさらに増やすべく、寄付を広く呼びかけている。(文 松岡由希子)
501cTHREE