国際的運送会社UPS社が、イギリス中央部のバーミンガム市と南部のサウサンプトン市でハイブリッド電気自動車を使ったエコ配達を9月上旬から開始した。
・航続距離は400km
このハイブリッド電気自動車(レンジエクステンダー、以下REEV)の導入にあたって、UPS社はイギリスに本拠をおく電気自動車の専門メーカーTEVVA社と共同開発を行った。車両には150kWの電動モーターと、追加の航続距離を提供する小型で効率的なディーゼルエンジンが装備されている。
現在UPS社が使用している7.5トンの電動配送車両の航続距離は100 kmであるが、REEVの航続距離は400km。都市部やクリーンエアゾーンに入る際に、車両は自動的にゼロエミッション電力に切り替わり、積載容量は23立方メートルと大きく、配達効率も維持できるのが特長だ。
・英国は2050年までにNet Zeroが目標
今回UPS社がハイブリッド電気自動車を使ったエコ配達を開始したのは、以下のような背景がある。現在、商用車は輸送関連で排出されるCO2の27%、欧州道路での温室効果ガス総排出量の5%を占めている。 EUでは温室効果ガス総排出量を2030年までに30%削減することを定めており、イギリスは2050年までにNet Zeroを目標としている。
また、2020年までにバーミンガム市は市内中心部にクリーンエアゾーンの導入を予定している。
2009年以降、UPS社は代替燃料と先進技術車両、および燃料ステーションに世界中で10億ドル(約1080億円)以上を投資しており、今回のハイブリッド電気自動車を使ったエコ配達は、さらなる一歩となる。今後の展開が注目される。
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