パイロットなしの自動飛行を想定している空飛ぶタクシーのシステムと、既存の管制システムを統合してのテスト飛行は世界初で、両システムがシームレスに機能することが確認された。
・安全性確保の重要ステップ
Volocopterは空飛ぶタクシーに使われることになる電動垂直離着陸機(eVTOL)のテスト飛行をすでに何回も行っている。しかし、今回は実際に旅客機が離発着する国際空港で、既存の管制システムに自動飛行機体専用のシステムを組み込んでのテストとなった。これは、実用化に向けて非常に重要なステップだ。実際にサービス展開されるときには、空の混雑のコントロールや安全性を確保する必要があり、そのためには一体的な管制体制が不可欠だからだ。
・テスト用の機体で
同社が公開したフライトの映像を見ると、テストはパイロットが乗り込んで行われた。民間航空機が並ぶ空港の一角から飛び立ち、地上と交信しながら周辺を飛行し、無事にフライトを終えている。今回使用された機体は2Xというテスト用のものだが、同社は先日、実際のサービスで使用される機体「VoloCity」を発表するなど、ハード面では着々と準備が整いつつある。
また、シンガポールに離発着ステーションも建設中で、年内にも総合的な試験飛行を行うことにしている。
Volocopter
(文・Mizoguchi)