二酸化炭素排出を95%抑制するという、かなり環境に優しい船舶で、9月から定期航路で本格運用される。
・車両30台、乗客200人
Ellenは全長59.5メートル、幅12.8メートル、喫水2.5メートル。車両30台、乗客200人を収容できる。もちろん世界にはこれよりも大型のフェリーは多数運航されているが、完全電動フェリーとしては現地時点で世界最大となるという。就任式のための初航海が8月15日に行われ、9月からデンマークのエーア島とアルス島を結ぶ航路に就航し、ディーゼルフェリーに取って代わる。
・航続距離40キロ
Ellenは電動モーター2つと、4.3MWhのリチウム電池を搭載している。バッテリーの開発を手がけたスイス企業Leclanché SAによると、Ellenは15.5ノット(時速約29キロ)で、22海里(約40キロ)の航行が可能だ。40キロの航行というとフェリーとしてはさほど長くなく、投入できる航路はおのずと限られてくる。
それでも化石燃料を使用しないEllenの年間運航で二酸化炭素2000トン、窒素酸化物42トン、有害微粒子2.5トン、二酸化硫黄1.4トンの排出を抑制できるという。地球温暖化、大気汚染が深刻な問題となっているいま、大きな意味を持つ取り組みとなる。
Leclanché SA
(文・Mizoguchi)