冗談のようにもとれるこの発言、彼の中では現実味のあるものだったようで、最近Twitter上に「Nuke Mars!」と投稿。その数時間後にはNuke Mars!Tシャツまで発表している。
— Elon Musk (@elonmusk) August 17, 2019
いくらElon Muskのアイデアにしても、ぶっ飛びすぎているこの計画に実現可能性はあるのだろうか。
・火星の氷に閉じ込められた二酸化炭素を開放
Nuke Mars!
— Elon Musk (@elonmusk) August 16, 2019
火星に核爆弾を落とすことによる狙いは、氷を蒸発させて水蒸気と二酸化炭素を解放することだ。これによって、寒くて乾燥している火星の気温を上昇させて人類が住めるようにする。
ただ一般的な感覚からすると、核による悪影響のほうが大きい気がするのではないか。Elon Muskが計画を実行するには、まさにこうした大衆の抵抗感を克服する必要があり、Tシャツによるキャンペーンもその一環だと考えられる。
そして一般人だけでなく、専門家にもElon Muskの計画に懐疑論を示す人は多いようだ。
・核爆弾投下による悪影響の可能性も
2018年にNature誌に掲載された研究結果は、火星の氷に閉じ込められたすべての二酸化炭素が大気中に放出されたとしても、人類が住めるほどの温暖化は達成できないことを示している。さらに科学者の一部は、核爆発により巻き起こったちりが惑星を覆い、太陽光を遮ることでかえって気温を下げてしまうとへの懸念を抱いている。一方で、人類の火星進出計画は着々と進められており、2021年には無人機が先行して火星に送り込まれ、2023年までにはヒトが到着する可能性がある。
火星を人類の住める環境にするとの目標は、将来なんとしても達成しなければならないもの。いまから火星への核爆弾投下キャンペーンを行うことで、少なくとも多くの人が火星テラフォーミングの重要性に気づくメリットがあるだろう。
参照元:Elon Musk Floats 'Nuke Mars' Idea Again (He Has T-Shirts)/Space.com