しかしこのほどハーバード大学のビース研究所が発表した外骨格スーツは腰回りにつける軽量の柔らかいタイプで、歩行も走行もアシストする。
・重さ5キロ
この外骨格スーツは背中、腰、太もものあたりに装着し、関節の動きを制限しないデザインとなっている。腰の部分にバッテリーとアクチュエーターがあり、搭載するセンサーが装着者の動きを感知して動きをアシストするという仕組みだ。センサーは歩行と走行の違いを感知できるので、アシストのレベルを適切に調整する。また、外骨格スーツの重量は約5キロで、装着者の体の中心にバッテリーなど重いものをもってくることで実際の重量ほどに重さを感じないように工夫しているとのこと。
・歩行の負荷を9.3%軽減
研究チームが実際にこの外骨格スーツを試したところ、歩行時の代謝負荷を9.3%、走行時は4%減らすことができたという。でこぼこの道や上り坂でもきちんとアシストすることが確認された。研究結果をまとめた論文では「代謝負荷の軽減は比較的小さい」としながらも、「外骨格スーツが複数の動きをサポートすることが可能であることを示している」とまとめている。
研究チームは「日々の暮らしでのウェアラブルなロボティックスの活用に向け道を切り開くものだ」と話す。具体的には、怪我をした人やリハビリが必要な人、筋力が弱った高齢者に活用することが想定されるようだ。
Wyss Institute
(文・Mizoguchi)