もちろんUFOの再現を目的としているわけでなく、実用化を目指している。「ADIFO(All-Directional Flying Object:全方向性飛行物体)」と名付けられたこのプロダクトについて見ていこう。
・垂直に離陸し、あらゆる方向に動き回る
空飛ぶ円盤を開発したのはルーマニアの科学者2人。航空機で用いられる空気力学を応用し、20年以上の歳月をかけて制作されたようだ。映像ではADIFOが垂直に離着陸し、あらゆる方向に動き回るのが確認できる。航空機などが風の影響をどう受けるか見るための風洞試験とコンピューターシミュレーションを重ね、この動きを実証した。
左右対称で流線型のボディは飛行の際の空気抵抗を減らし、スムーズな加速やエネルギー効率向上に寄与しているという。
・動力をジェットエンジンに置き換える計画
科学者らは、現在ダクトファンに頼っている動力をジェットエンジンに置き換えようと考えている。昇降の際にはドローンのようにダクトファンでおこなうが、加速する際はジェットエンジンを利用。2つのノズルからの噴射により遷音速/超音速で移動できるようにするという。ちなみに、高速な動きでも左右や回転といった巧妙な動きを実現するために、横方向や垂直方向に噴射するノズルも設置されている。
彼らは開発を進めるにあたってパートナーを募集しているが、関心を示している企業/政府機関はわずかとのこと。20年前に比べてドローンの性能が上がった現在、見た目以外の目新しさは少ないのかもしれない。
参照元:Someone Built a Flying Saucer That Actually Flies And We're So Here For It/Sciencealert
Romanian Engineers Have Created a Fully Functional Flying Saucer/Vice