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Start Up 相乗りアプリ「nearMe.」代表の髙原氏が作り出す、これからの時代の移動手段

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相乗りアプリ「nearMe.」代表の髙原氏が作り出す、これからの時代の移動手段

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海外での移動手段として普及している、UberやGrabなどの配車アプリ。しかし日本においては、「道路運送法」によって無許可でのタクシー業が禁止されている。

そんな状況下で登場したのが、相乗りアプリ「nearMe.」だ。株式会社NearMeが提供するこのアプリは、同じ方向に行きたい人同士でマッチングし、タクシーで相乗りするためのサービス。

政府も「相乗り型タクシー」の解禁を検討しており、移動手段の見直しが注目されている今、同社代表の髙原氏にこれからの移動手段について話を聞いてみた。

乗客の悩みとタクシーの悩み

――まずは、髙原さんが「nearMe.」のサービスを思いついたきっかけについて伺えますか?

髙原氏:きっかけは自分の原体験ですね。私は郊外に住んでいるんですが、駅から離れているのでいつもバスを使っているんです。でも最終バスの時間が22時半なんですよ。

当然、かどうかわかりませんが、いつも最終バスを逃し、結局タクシーで家に帰ることになるんですが、タクシー乗り場を見ると行列が……。雨や雪が降っていれば最悪です。

駅には北口と南口があり、その両方にタクシー乗り場があるんですが、同じ行列に並んでいる人たちはだいたい同じような場所に向かっているんですよね。それなのに一人ずつ乗車して、送り届けたらまた戻ってきて……これってもったいないと思いませんか? 一緒に乗ればいいじゃんって。

――確かに時間ももったいないですし、相乗りできれば費用も安くなります。でも現段階では「相乗り型タクシー」も解禁されていませんし、「白タク」も禁止されていますよね。

髙原氏:だから、タクシーに乗る前に乗客同士をマッチングしちゃえばいいんじゃないかと思い、「nearMe.」を作ったんです。

これならタクシー事業者の乗合行為にもならないですし、私たちもサプライサイドを用意しなくていい。しかも、乗車するタクシー会社も気にする必要がないので、ユーザーにとってはかなり自由度が高くなるなと。

――なるほど、ではこのサービスは都心のタクシー行列解消を目的に作られたんでしょうか?

髙原氏:いや、このサービスは都心の課題だけではなく、地方の課題も解決できるんです。むしろ課題の深刻度でいうと、地方のほうがこのサービスを必要としているかもしれません。

日本は課題先進国といえますが、中でも高齢化は最たるもの。そしてその結果として生まれるのが「移動問題」。最近は高齢ドライバーの自動車事故が問題になっていますが、地方では免許返納後の移動手段がなくなるという問題もあるんです。

バスも人手不足によって路線が廃止されているエリアもありますし、自家用車での移動もできなくなると、スーパーや病院に行くのも一苦労。かといってタクシーは他の移動手段と比べても高価なイメージで気軽に乗れないという実状もあります。

一方タクシー側にも課題はあり、実はお客さんを乗せていない割合が半分くらいを占めているんです。これはタクシー側ももったいないと思っていることなんです。さらに地方では高齢化の波がタクシードライバーにも及んでおり、その数は減少しつつあります。

――移動したくても移動手段がない高齢者と、移動させたいのに効率良くお客さんを乗せていないタクシー……「nearMe.」はこの2つの課題も解決できるということですね。

髙原氏:そうです、ハードルを下げて利用しやすい乗り物として再定義できれば、地方の移動インフラになり得ると思うんです。

地域に閉じていく経済圏

――HPを拝見すると、ミッションに「地域活性化」と書かれていましたが、これはどういうことでしょうか。

髙原氏:そもそもの考えとして、今後テクノロジーを活用していけば、経済圏はどんどん地域に閉じた形になっていくと思っているんです。

――どういうことでしょうか?

髙原氏:例えば、通常ネットで商品を購入すると、離れた場所にオーダーが飛んで、倉庫でピッキング・パッキングを行い、デポといわれる場所まで運び、そこからラストワンマイルという流れですよね。

でもこれってタクシーと同じでもったいない部分が多いと思いませんか? もし近くに在庫を持っている店があればそこから届ければいいですし、なんならたまたま通ったタクシーが本屋で本を預かってお客さんに届けるとか。

テクノロジーを駆使すれば、より狭い地域の中で効率よく物流を行うことができるんです。

――なるほど、そう言われてみると不可能なことではないような気がしますね。「地域活性化」というのは、地域という単位で経済を回すということなんですね。

髙原氏:将来的には、「地域の良さを発見できる仕組み」も作りたいと思っています。

これも私の体験談なんですが、先日下田に旅行に行ったんです、静岡県の。そこでたまたまホテルの従業員の方に、近くで蛍まつりが開催されていることを教えてもらって、行ってみたらものすごく綺麗で……。人生初めての蛍だったこともあって、私にとってとても貴重な体験になりました。

でもこれって偶然なんですよね。ホテルの人に教えてもらわなければわからなかったですし、自分で検索してもおそらくわからなかった。そもそも知らないことなので検索できません。

そういった情報を知ることができれば、観光客にとっても地域の人たちにとってもハッピーだと思います。今は「移動」に限ったサービスですが、将来的には地域が活性化するためのプラットフォームを作りたいと考えています。

――大きなプラットフォームになりますね。

髙原氏:せっかくだし、楽しそうなことしたいじゃないですか。

髙原幸一郎(たかはら・こういちろう)
シカゴ大学経営大学院卒。2001年SAPジャパンへ新卒入社。国内外の様々な業界の業務改革プロジェクトに従事。2012年楽天に入社。物流事業の立ち上げ、 海外M&A案件などをリード。その後、グループ会社の執行役員として日用品EC事業のP/Lマネジメントなどに従事。2015年からは米グループ会社の副社長/取締役としてPMIや事業開発、仏グループ会社CEOなどを歴任。2018年1月から現職。
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