Beresheetは今年2月11日にSpaceXのFalcon 9によって打ち上げられ、初の民間機月面着陸に挑戦した。だが、ミッションは想像以上の難易度だったようで、残念ながら失敗に終わっている。
月面にクラッシュしたBeresheetだが、じつは積み荷のなかには、乾燥させたクマムシが入っていた。もしかすると彼らはいまも月面で生きながらえているかもしれない。
・地球の文明保存ライブラリのなかにクマムシも
Beresheetには、地球の文明の保存を目的としたライブラリが積まれており、Wikipediaや古典書のデジタル情報からヒトのDNAサンプルといったものまでが含まれていた。
そこになぜクマムシが含まれていたかというと、そのタフさが地球上随一だからだ。8本の足を持ち、熊のミニチュアのようなこの生き物は、地球環境が激変しても生き残れるレアな特性を持っている。例えば、マイナス200℃~149℃という極限の環境で生きられるのだ。
・強度な圧力や真空状態にも耐える
頭と足をひっこめた状態で水分を排出。この状態で数十年放置しても元に戻れるとのこと。休眠状態のクマムシが、2007年に欧州宇宙機関(ESA)によって宇宙に打ち上げられているが、なんと真空状態かつ放射線がふりそそぐ環境にも耐えて地球に生還した。さらに研究で、海の最深部でかかる圧力の6倍にも耐えられることもわかっている。クラッシュ時の爆発による影響がどの程度だったかは不明だが、もし数千匹のうちの一部でも生き延びていれば、再び人類が月面に降り立ったあかつきには、彼らに対面できるかもしれない。
参照元:Thousands of Tardigrades Stranded on the Moon After Lunar Lander Crash/LiveScience
Tardigrades, the toughest animals on Earth, have crash-landed on the moon/Vox
SpaceIL