・木材を化学的に処理
この膜は、アメリカのメリーランド大学とプリンストン大学、コロラド大学ボールダー校の研究チームが開発した。膜の外見は、漂白された白くて薄い木材のよう。まず、木材を処理して、リグニンと木材の茶色く硬い部分、およびヘミセルロースを除去。その後、これをコンピュータチップ用のシリコン製造に使用される化合物であるシランで処理し、セルロースに織り込んだ。
・市販の膜より20%優れた性能
研究チームは、木材を化学的に処理して疎水性にすることで、水蒸気をより効率的に通過させることに成功した。この木質膜は非常に高い気孔率を持ち、水蒸気輸送を促進し、熱損失を防ぐ。研究者らは、この新しい膜が蒸留試験で市販の膜より20%優れた性能をもつと発表している。メリーランド大学のスピンオフ企業であるInventwood社は現在、木材ベースのナノテクノロジーの商業化に取り組んでいる。今後のさらなる開発が期待される。
University of Maryland