米国では毎年25万人が敗血症で亡くなっているとされるが、MITはその敗血症を従来の手法より格段に早い25分で診断できるセンサーとシステムを開発したと発表した。
・数時間の検査を25分で
敗血症では感染に対する体の免疫反応が引き金になって炎症の連鎖が起きる。診断や治療が遅れると急速に進行し、臓器不全や敗血症性ショックを起こすこともある恐ろしい病気だが、早期の診断が難しいのが課題だ。そこをなんとかできないかと開発されたのがMITのセンサー。従来の手法では数時間もかかっていた検査が、ものの25分で結果がわかるのだという。
・わずかな血液を使用
具体的には、マイクロフルイディクスという微小流体を扱う技術を用いて、敗血症の早期サインとなる血液中のプロテイン「IL-6」をセンサーが感知する。このプロテインは敗血症の症状が出始める前に血液中にみられるようになるとのことで、早期にこのプロテインの存在をキャッチすれば、治療につなげられる。しかもMITの手法では、ごくわずかな血液で検査が可能とのことで患者の肉体的負担が少ない。加えて、高スペックな光学機器を用いなくても、極小のマグネティックビーズなどを使ったさほど高価でない装置で検査できるというのもポイントだ。
研究チームは今後、検査デバイスがとらえる敗血症の重要なバイオマーカーのパネルを作成する計画という。一方で、この検査手法を他のバイオマーカーにも広げて別の病気の診断に活用することも視野に入れている。
MIT
(文・Mizoguchi)