テルアビブを拠点とするREEは、従来ボンネットの中にあったパーツをホールの中に組み込んだ、完全フラットなプラットフォームを開発した。同システムを開発したモチベーションには、いまいちスケールしない電気自動車(EV)市場を拡大するとの狙いが含まれているようだ。
・エネルギー効率の最大化と安定性の向上を実現
REEが開発したのは、エネルギーロスが少ないといわれるインホイールモーターをさらにパワーアップしたようなシステム。ホイールの中には、モーターやステアリングシステムだけでなく、サスペンションやブレーキ、センシングといったシステム、その他電子機器が詰め込まれている。重心を低くすることでエネルギー効率を最大化し、操作性や安定性を高める。
・単一プラットフォームであらゆるデザインに対応
またREEによれば、フラットプラットフォームは車の重量33%減が可能で、積載スペースを67%拡げられるとのこと。これによりバッテリー積載容量が増やせるメリットがあるほか、上に載せるボディはデザインの自由度無限大だ。自動車の製造業者からすると、複数のプラットフォームを開発/製造するコストは大きく、これが少なからずEV普及の足かせになっているとのこと。
REEによるプラットフォームはモジュール性で組み合わせ自由。ガソリン自動車に比べて部品数が圧倒的に少ないといわれるEVをさらにシンプル化できるだろう。
・2度目の車輪の最発明
REEの共同創設者、Daniel Barel氏は、以前にも車輪を再発明している。Barel氏は2011年に、車椅子や自転車にインホイール技術を提供するSoftWheelを共同創設。数々の世界的な企業とパートナーシップを結んでいる。その中には、Fortune 500の米国企業Tennecoや武蔵精密工業が含まれるほか、三菱商事なんかも投資ラウンドに参加しているようで、その有望性がうかがえる。
参照元:Israeli Startup REE Reimagines Vehicles With Futuristic, Flat Chassis Design/nocamels