ミネラルウールは現在、建設に使用される断熱材の60%を占めているが、再利用が難しくリサイクル率が低いという問題がある。そんな中、 マドリード工科大学の研究チームが、このミネラルウール廃棄物をリサイクルしてつくる新しいモルタルを開発した。
・建築資材に使用される砂の削減を提案
モルタルの重要な成分は砂だ。砂は世界で最も使用されている天然資源で、水と化石燃料がこれに続く。マドリード工科大学の研究者らは、ミネラルウール廃棄物を最大限に使用してモルタルをつくり、建築資材に使用される砂の量を減らすことを提案する。
・最大50%の砂を代替可能
研究者チームは、建築資材を住宅建設にリサイクルする方法を長年にわたって研究してきた。そして今回、研究者らはリサイクル繊維を添加したモルタルの化学構造と微細構造の両方が、この繊維を含まないモルタルと類似していることを発見した。これは、追加する繊維がモルタルの機能性に影響を及ぼさず、砂の代替材料としてこのリサイクル材料を使用できることを意味する。
さらに、この新モルタルは従来のモルタルより軽量で断熱性能に優れるという特性をもつ。また、この持続可能なモルタルを使用すると、なんと最大50%の砂を代替できるという。
埋立地に廃棄物を輸送するのを避け、建設業界におけるサーキュラーエコノミーの実現に寄与するマドリード工科大学の研究。今後のさらなる展開が注目される。
Universidad Politécnica de Madrid