同社が手掛ける「クラウドファクタリング」という手法、これからの融資のあり方などについて、代表取締役CEOの澤岻 優紀(たくし ゆうき)氏に話を聞いた。
・クラウドファクタリングのメリットとリスク
Q1:まずは、「クラウドファクタリング」という手法について伺えますでしょうか。企業が売掛金(入金待ちの請求書)を売却することで資金調達する手法をファクタリングといいます。これを日本で初めてオンライン完結で提供しているのが、弊社の「クラウドファクタリング」です。
サービスの特長は「はやい」「かんたん」「リーズナブル」の3点。書類提出から24時間以内に審査結果を回答、申し込みから契約までの手続きはオンライン完結、手数料率は業界最低水準の2~9パーセントと、圧倒的に便利な金融体験を提供しています。
Q2:資金調達の新たな形態として注目すべき手法だと思いますが、サービスを展開するに当たってどんなリスクが考えられるのでしょうか。併せて、その際どのような回避手段を講じているのかも教えてください。
金融サービスでは、ユーザーの利便性を追求すると、資金供給者側の貸し倒れリスクが増大します。
従来は担保や保証人を設定するなど回収に注力することで、出口でこれを回避してきました。しかし、弊社ではAIを用いたスコアリングモデルを活用するなど、与信能力を高めることで、入口の審査の段階でリスクの見極めを行っています。
今までにないサービスが受け入れられたのか、サービス開始からすでに累計100億円超の申し込みをいただいています。
・状況に応じて資金調達手段を使い分ける時代
Q3:昨今はクラウドファンディングを筆頭に、多彩な手段で資金を集めることができます。新しいサービスを提供する側として、資金調達のあり方は今後どのように変わっていくと思われますか?資金調達イコール融資という状況が長く続いていましたが、今はさまざまな金融サービスが登場するオルタナティブファイナンスの時代です。短期・少額の運転資金をミニマルに調達する場合は「クラウドファクタリング」が最適ですが、巨額の設備資金を調達したいのであれば、従来通りの融資が最良の選択肢だと思います。
状況に合わせてさまざま資金調達手段を使い分けることで、金融機関とユーザー双方の経営状況を改善できる、と考えています。
Q4:最後に、今後の展開について教えてください。
金融機関や事業会社とのパートナーシップを展開していきたいと思います。具体的には地域金融機関やプラットフォームを運営する事業会社と組み、彼らの顧客基盤に対して弊社がAIを用いた審査やオペレーションを担う形で、「クラウドファクタリング」のホワイトラベルでの提供を行います。
パートナー企業との新たな金融商品の共同開発を通じて、日本全国の経営者に「クラウドファクタリング」を届けていく構想です。第一弾として、クラウド会計のfreeeとの提携を発表しました。
(取材・文 乾 雅美)
OLTAクラウドファクタリング