上空から見ると涙のような形状をしていて、屋根にはソーラーパネルを搭載。ここでの発電で施設の電力を賄うという環境配慮型の施設で、オストラバのランドマーク的存在となりそうだ。
・1300人収容
このデザインには、永田音響設計(東京)が携わっている。建築音響コンサルティングのパイオニアである同社が、Steven Holl Architects(米国)、Archtecture Acts(プラハ)とともに設計した。ホールは1300人収容となかなかの規模で、現存する文化施設の間に入り込むような形で建設される。
建物の屋根にはソーラーパネルが配置され、施設で使用する電力を賄う。また、ホールは道路に面しているが、建物の裏側には雨水を貯める貯水プールがある。この水を熱交換システムに使って建物を冷やすという、全体的に環境に優しいつくりとなっている。
・ヤナーチェクに包まれる
内部はというと、自然光が取り入れられるよう大きな天井窓があるほか、建物の正面と奥は一面ガラス張りになっているなど、見た目にかなりモダンで優雅だ。またホールのレイアウトやインテリアはチェコを代表する作曲家でオストラバで亡くなったレオシュ・ヤナーチェクにインスパイアされたものになっているとのこと。ちなみに、このホールはヤナーチェク交響楽団の“ホーム”となる。
計画通りにいけば2023年に完成する見込みのこのホール。音楽ファン、そして建築ファンもひきつけるものとなりそうだ。
Steven Holl Architects
(文・Mizoguchi)