搭載するソーラーパネルでバッテリーをフル充電すれば720キロ走行が可能で、1年間に2万キロ走行できるだけの発電ができるという。同社はこのほど生産前プロトタイプ「Lightyear One」を発表し、プレオーダーの受付を開始した。
・5平方メートル分のパネル
写真を見て真っ先に目がいくと思うが、Oneはルーフやフードがソーラーパネルに覆われている。実際には安全ガラスの下にパネルが埋め込まれていて、総面積は5平方メートルになる。
このパネルでソーラー発電し、搭載のバッテリーを充電する。充電効率はというと、1時間で12キロ走行分の電気が賄える。会社で働いている間、駐車場に車を置きっ放しにするとして、8時間で100キロ近く分を充電できる計算になる。
・10秒で時速100キロに
バッテリーは太陽光だけでなく、家庭や充電ステーションのコンセントにつないでも充電できる。なので、長距離を走る場合も安心だ。しかも走りながら発電・充電できるので、コンセントにつなぐ回数をかなり減らせる。
加速性能はというと時速100キロに到達するまでにかかる時間は10秒。スポーツカーのレベルには遠いが、それでも日常で使う分にはまず十分だろう。
電気自動車は環境に優しいことは間違いないが、ただその電気はエコ発電されたものでないケースは多い。エミッションを抑える車を充電するのに石炭発電による電気を使っていれば元も子もない。
それにひきかえ、Oneは真にグリーンエネルギーだけで走らせることができる。ただし、価格は14万9000ユーロ(約1830万円)とスーパーカー並みで、普及を図るには価格がネックとなりそうだ。
Lightyear
(文・Mizoguchi)