近年、サブスクリプションモデルのサービスが増えている。今回ご紹介する「subsclife」もその一つ。代表の町屋氏にサービスを始めたきっかけと、家具のあり方を再定義する「Furniture 2.0」について話を伺った。
家具とサブスクリプションの掛け合わせによる課題解決
Q1.subsclifeについて簡単に教えて下さい。
ライフスタイルに合わせて必要な分だけ家具を取り揃えられる、月額500円から利用できるサブスクリプション型サービスです。
一人暮らしや二人暮らし、お子さまの誕生や成長。人生の節目やライフスタイルの変化に合わせて、「必要なとき、必要な分だけ選ぶ」という新しい家具の使い方で、利用後は回収までサポート。自由で柔軟な家具との付き合い方を提案するサービスです。
2019年5月からは、家電の取り扱いも開始いたしました。
Q2.家具のサブスクリプションモデルを始めたきっかけはどのようなものだったのでしょうか。
2016年にアメリカを訪れた際に、アメリカの企業はSaaSを中心としたサブスクリプションブームで、日本にもこの流れは確実に来ると確信しました。
家具とサブスクリプションを掛け合わせ、家具の課題である「高い、買い替えと処分が大変」を解決できないかと考えました。
また、私自身引っ越しする機会があって目黒通り沿いの家具屋が点在する場所を訪れたのですが、どこも元気がないと感じてしまったのです。理由は、安価な家具の選択肢ができたことで、高い家具は売れなくなってきているためだと思いました。いいものを作っているメーカーやブランドにサブスクリプションという手段を使って貢献できないかという思いが一層強くなり、サービスを立ち上げるに至りました。
Q3.家具は高額なイメージがありますが、なぜsubsclifeは月額500円から利用できるのでしょうか。
一般的に、サブスクリプションというと、「Netflix」のような定額で使い放題のサービスをイメージされると思います。しかし、subclifeはそうではなく、家具1点ごとに月額料金の設定をしており、新品を提供しています。そのため、結果的に月額料金を抑えることができ、小売価格が低い商品は500円程度から利用可能なんです。
さらにsubsclifeではレンタルとリースのいいとこどりができるというのも特徴の一つ。サブスクリプションサービスやレンタルを検討する際に、「買うのとどっちがお得か?」ということを考えると思います。しかしsubsclifeでは、商品定価以上の利用料請求をしないため、「金利なしの分割払い」のようなイメージで気軽に利用していただけます。さらに、不要になったら回収サポートを利用することで、破棄する際の業者への手配コストも軽減できるようになっています。
あらゆるモノをサブスクリプション化して世の中を変えていく
Q4.subsclifeが構想する「Furniture 2.0」の取り組みについて具体的に教えて下さい。
2019年4月に、私たちはサービス名でもあるsubsclifeに社名変更をいたしました。2018年3月にbeta版を日本で初めてローンチしましたが、業界出身者が少なく手探りの中、たくさんの家具メーカー様、お取引先様が手を差し伸べてくださりました。
「所有から利用へ」の時代背景におけるサブスクリプションの必要性はさることながら、いいモノを提供しているメーカー様の商品を、サブスクで世の中に届けることにより、「家具にとどまらず、よりよい暮らしを実現する選択肢を世の中に増やすこと」ができると考えています。
将来的には、部屋の中にあるモノ全てをサブスクリプション化できる選択肢を作りたいと考えており、先駆けとして2019年5月には家電の取り扱いを開始しました。また、家具の破棄を最小限にするため、回収した家具の中古市場への活用や、廃材の再利用など持続可能な取り組みもしていきたいと思っています。
いいモノとユーザーがつながっているからこそ、利用終了後も廃棄を最小限に抑えられる。これもサブスクリプションだからこそできると考えています。
Q5.最後に今後の展望について教えて下さい。
家具や家電をサブスクリプションで利用するユーザーを増やす活動を継続して行なっていきます。
また、オフィスや店舗など法人向けサービス拡充にも注力できればと思っています。サブスクリプションという言葉は聞いたことがあるけれど、それを自分の生活にどう利用するか、ここを定着させられるかが重要です。
モノのサブスクリプションのような新しい概念の普及にホームランのような一発逆転する手法はありません。1人1人のユーザーと向き合い、地に足をつけてサービス利用者を増やしてまいります。
ライフスタイルにサブスクリプションを利用する機会が、今後増えていきそうだと改めて感じた。「Furniture 2.0」実現に向けて、subsclifeの今後の成長に期待したい。
subsclife