こうした課題をデジタルで解決するのが「マーケロボ」だ。AI搭載型MA(マーケティングオートメーション)ツールとして、今年4月にデビュー。わずか10か月で導入企業は100社を超えた。
最大の特長は、提供元によるワンストップ運用。MAツールを使いこなせる人材が少ない中、これは実にありがたい話だ。API連携も導入費も不要。名刺のデータ化から自動追客まで一連の流れを自動化し、確実に実行する。
開発を手がけたのは2016年創業のMarketing-Robotics社。代表取締役の田中 亮大(たなか りょうだい)氏が取材に応じてくれた。
・必ず売上げが上がる!
Q1:まずは「マーケロボ」を開発するに至ったきっかけからお聞かせください。
もともと私は「日本の社長.tv」という経営者動画メディアの運営会社取締役として、全国で5000社以上の新規開拓をしてまいりました。その後、ヒラメ筋のCMでおなじみの営業支援システム「ベルフェイス」を設立し、副社長、販売会社の社長に就任します。そこで培ったノウハウを事業化するために、この会社を立ち上げました。
これまで多くの営業現場を見てきましたが、9割方の企業はいまだに気合と根性のアナログ営業を行っています。この由々しき事態をデジタル変革するために、無料のMAツール「マーケロボ」を開発しました。
Q2:このシステムを導入することで、営業活動はどのように変わるのでしょうか。
まず、必ず「売上げが上がる」ということです。テクノロジーを駆使することで、これまで人がキャッチできていなかった部分、例えば、どの顧客が何に興味があるか、という点が見えてきます。相手の知りたい情報を知りたいタイミングで提供できるので、成約率が上がります。
第2に、これまで人が行っていた煩雑な作業をシステムが肩代わりするので、コミュニケーションに費やす時間が増えます。デジタル化で仕事の効率を上げるため、無駄なテレアポや訪問、残業の削減といった従業員の負担が軽減され、離職率が下がります。
・MA運用に役立つ人材紹介事業も
Q3:システム開発にあたって最も苦労したのは、どのようなところでしょうか。
マーケティングオートメーションはキーとなる情報をもとに、大量の情報を紐づけする必要があります。データベースとの情報のやり取りが大量に発生するため、IDをたくさん発行し、テーブル間のつなぎを行わなければなりません。
その分データベースも大きくなるので、”サクサク”をうたっているにも関わらず、モッサリした動きになってしまうことがしばしばあり、最適化するのに苦労しました。ユーザーに快適に利用してもらうため、応答速度の改善は最優先で行いました。
Q4:今後の展開について教えてください。
多様な働き方を実現し、新しい雇用や長く働ける環境を創出したいと考えています。そのために現在の事業を拡大しつつ、人材紹介事業を近々スタートさせる予定です。
ツール利用料を無料にしたことで、マーケティングオートメーションを導入する企業はどんどん増えていくでしょう。しかし、ほとんどの企業にはツールを使いこなせる人材がいません。そうした企業へ、マーケティングオートメーションを使いこなせる人材を紹介するのです。
先日一部上場のHR(ヒューマンリソース)企業から資金調達をしたこともあり、人材領域に特化したMAの開発も進めています。さまざまな理由で自社に入社しなかった人材との関係の継続構築やタレントプール化、採用コンテンツの解析など、MAでやれることの可能性を日々感じています。今後もマーケロボを通じて多くの人に幸せをもたらせていけたら、と思っています。
残業が多く、顧客の都合に左右されがちな営業は、最も働き方改革が推進しにくい職種と言われている。しかし、ものは考えようだ。デジタルツールを積極的に利用すれば、いくらでも解決の方法はある。めざすは時間に追われない、効率のいい労働。「マーケロボ」が、きっとかなえてくれるだろう。
マーケロボ/Marketing-Robotics