その原因となっているのが同エリアに本拠地を構えるIT大企業だ。テック業界の労働者の流入で住宅事情は深刻化していて、テック企業はいま批判にさらされている。その対応策としてGoogleは18日、10億ドル(約1085億円)を投資して住宅2万戸を整備すると発表した。
・あらゆる収入レベル世帯に提供
GoogleのCEO、Sundar Pichai氏が同社のブログで発表した。それによると、少なくとも7億5000万ドル(約810億円)の価値があるとされる社所有の土地に住宅1万5000戸を整備し、中・低所得世帯を含むあらゆる収入レベルの世帯に提供する。
加えて、デベロッパー向けの2億5000万ドル(約270億円)の投資ファンドを立ち上げ、比較的手頃な価格の住宅5000戸を建設する。
・ホームレス問題にも寄付
住宅整備とは別に、Googleはホームレス問題などに取り組んでいる非営利団体に5000万ドル(約54億円)を提供する。Googleはこれまでもこうした寄付を行っているが、過去5年間の累計額は1800万ドル(約20億円)で今回の額は突出したものとなる。
Googleがここまでするのは、まさにPichai氏がブログの中で「急を要する」と指摘しているように、住宅問題が深刻だからだ。ベイエリアではテック業界で働いてそれなりに収入を得ている人でも住宅を確保できず、キャンピングカー生活をする“住宅難民”も少なくない。
もっとも、ベイエリアで多くの従業員を抱えているのはGoogleだけでなく、AppleやFacebookといった名だたる企業が数多く本拠地を構えている。Googleの取り組みはそうした他テック企業にも影響を与える可能性がある。
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(文・Mizoguchi)