しかし、昨今の何においても“スピード重視”な傾向や、一時の話題性で視聴率を稼ぐような風潮もあり、なかなか長期的なレポートをするような報道は少ない。長期にわたる報道はどうしてもコストや時間がかかるため、報道各社としてもリスキーであり、そういった活動をサポートしきれない部分もあるだろう。
近頃では、一般の人々の助けを得て、事業を起こしたり推進したりするクラウドファンディングが目立つようになったが、このような仕組みを報道の世界にも導入しようという試みが、「Uncoverage」というプラットフォームである。
長らく内戦を続けている地域、民族間紛争、政治腐敗など、長期的に経過を観察し、注視しなければならない問題は世界中にたくさんある。ユーザーは自分が敬愛するジャーナリスト、関心をもっている分野、特定の分野のジャーナリストに投資をして、彼らの活動をサポートすることができる。
サポート金額は月額で1ドル、あるいは20ドルといったように選択ができ、いつでも好きなときに投資をやめたり始めたりすることが可能。多くのクラウドファンディングサイトと同じように、業務の経過が定期的にユーザーに知らされ、達成された実績はサイトで公開される。
「Uncoverage」は一般市民とジャーナリストを結びつける場であり、一過性だったり話題性に偏った報道ではなく、世の中に情報として告知する必要があるトピックを追跡する、志あるジャーナリストの活動を市民自らが判断して、直接サポートすることができる場でもある。先日まで資金調達プラットフォームIndiegogoでキャンペーンを実施していた「Uncoverage」は、調査機関のThe Center for Public Integrityとパートナーシップを結び、現在も多くの人々からのサポートを募集している。
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