そうした両者のいいとこどりをした機体を開発できないか、とドイツのQuantum Systemsが2-in-1のシステムを開発した。なんと、ボディは共有し、翼を取り替えることでマルチコプターとして、そしてVTOLとしても使えるというものだ。
・垂直に離発着
まずVectorというモードでは、翼が横に長く伸び、小型飛行機のような形状だ。しかし両翼と尾翼にプロペラを搭載し、垂直に離発着できる。
そして一定の高度に達したらプロペラが角度を変える。これにより、トップスピードは時速90キロに達する。フル充電で2時間の飛行が可能だ。
・翼とアームを交換
そしてVectorの翼や尾翼を外して、3つのアームを取り付けるとScorpionモードになる。こちらはプロペラが固定され、従来のマルチコプターのような飛行となる。
トップスピードは時速54キロとVectorには及ばず、飛行時間も最長45分と短い。ただ、飛行そのものはかなり安定したものになる。
わざわざ2つのモードを切り替えられるものを開発したのは、測定や撮影、上空調査など目的によって使い分けられるようにするためだ。いずれのモードでも自動航行や遠隔操作飛行が可能とのこと。
主に軍での使用を想定しているが、研究や救助の分野での応用も視野に入れているという。
Quantum Systems