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Start Up 【interview】オーガニック農作物のマーケットプレイス「食べチョク」が目指す農業の流通革命とは

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【interview】オーガニック農作物のマーケットプレイス「食べチョク」が目指す農業の流通革命とは

スーパーに並ぶ野菜の数々は、農業に従事する生産者あってのもの。しかし、既存の流通では、小規模な農業を営む生産者にとっては価格交渉ができない事実が存在する。 今回ご紹介する「食べチョク」は、生産者からダイレクトに野菜を届け...

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スーパーに並ぶ野菜の数々は、農業に従事する生産者あってのもの。しかし、既存の流通では、小規模な農業を営む生産者にとっては価格交渉ができない事実が存在する。

今回ご紹介する「食べチョク」は、生産者からダイレクトに野菜を届けるマーケットプレイスで、農業の流通に新しい風を吹き込んでいる。代表の秋元氏にその取り組みについて話を伺った。

生産者の「取り組み」や「想い」が評価される世界を作る


Q1.食べチョクのサービスについて簡単に教えてください。
食べチョクは、野菜や果物といった農作物の生産者と消費者をダイレクトにつなぐオンライン直売所です。中間業者や倉庫を一切介さず生産者からダイレクトに届くことに特化した、CtoCのマーケットプレイスになります。

基準をクリアしたオーガニック農家のみが出品でき、農薬や肥料を使用せずこだわって作られた農作物が、鮮度の高い状態で自宅に届く(最短で収穫後24時間以内)ことが特長です。

生産者さんにとって食べチョクは「自分たちのこだわりをしっかりと理解してもらい、適正な価格で販売できる専用のホームページ」のような位置づけになっています。また新しい販路としてだけでなく、お客様と直接コミュニケーションをとれることに大きなメリットを感じていただいております。

Q2.食べチョクを立ち上げた背景はどのようなものでしょうか。
私の実家は以前から農業を営んでいました。ですが、市場出荷のみで経営を維持することが難しくなり、現在では遊休農地になっています。あるとき実家に帰省し荒れ果ててしまった農地を見て「実家に貢献しなきゃ」と思い農業に興味を持ち始めました。

前職のDeNAでは、3年半で4つの部署を経験し、新規サービスの立ち上げやグロースなど幅広い業務経験を積むことができました。この経験を生かし、農業の世界で何かできることはないかと、まずは周辺の農家さんを回ることから始めました。

たくさんの農家さんを訪問していく中で気付いたのは、「こだわっても高く売れない」「消費者にこだわりが伝わらない」という悩みでした。こだわりを持って農業に取り組み続けているにも関わらず、農作物が正当な価格で販売されていなかったり、生産者に還元される仕組みが不十分だったりすることが原因で、就農する方もいなくなってしまうのではという課題を感じたのです。これまで会ってきた生産者さんたちのような、尊敬できる人々の想いがきちんと報われる世界を実現したいという思いから、食べチョクというサービスを作りました。

生産者と消費者がつながるコミュニティプラットフォーム


Q3.生産者がマルシェに出品すること、消費者がオンラインで購入することのメリットはどのようなものでしょうか。
食べチョクで実現しているのは、新たな「流通経路」の開拓です。生産者さんは自分で価格を決めることができ、栽培方法や農業へのこだわりを直接お客様に伝えることで、適正な価格で自分の農作物を販売することができます。お客様は生産者の顔が見える安心で高品質な農作物を、採れたてに近い鮮度で手に入れることができます。食べチョクでは特に、伝統野菜や固定種・在来種、また無農薬野菜や減農薬の果物など、小中規模で農業を営んでいる農家さんたちの課題解決を取り組みの軸として据えています。

また、食べチョクでは、市場には出荷していないような小中規模の農家さんが多く出品しています。そのため、既存の流通の中では売れ行きが読めなかったり、扱いが難しかったりという理由から、市場に出回らない珍しい種類の食材との出会いがあります。地場野菜や伝統野菜はもちろん、生産性が悪く、作っている農家さんが限られるけれどとても美味しい野菜など、これまで見たことも食べたこともないような野菜や果物のバリエーションがとても豊富です。

Q4.農業の流通革命に取り組む食べチョクのD2Cプラットフォーム構想について教えてください。
食べチョクはただの直販サイトではなく、生産者に直接ファンがつくような、生産者と消費者がつながるコミュニティを目指しています。農家ならではの食べ方や自作のレシピ、また季節ごとの農園の様子などが記されたお便りを同封している農家さんもいます。そういった「農家直送」ならではの体験はお客様の満足度も非常に高く、ファン化やリピートにつながっています。生産者さんにとっても「ごちそうさま、美味しかった」といったお客様からの生の声が届き、こだわって作った農作物が誰に・どのように食べられたのかがわかることは、農業に取り組むうえで大きなモチベーションにつながります。

また、消費者の中にはどの商品を注文するか悩んでしまうといった声もあり、そういった方にはコンシェルジュがおすすめの生産者を選定する定期便「食べチョク コンシェルジュ」も提供しています。申し込み時の簡単なアンケートと、お届け時のフィードバックを記入いただくことで、自分の好みやよく使う野菜などに合わせた生産者選定がされるようになります。今後は、お客様ごとのパーソナライズ機能をより最適化していく開発も積極的に進めています。

Q5.最後に今後の展望について教えてください。
もともとC向けとしてスタートした食べチョクですが、飲食店からの注文も増えてきていることから、2018年11月より飲食店向けサービス「食べチョクPro」も展開しています。どのような販路での取り引きを増やしていきたいかは生産者さんの考え方によって少しずつ異なるため、私たちとしては今後もC向けB向けと区別することなく事業展開をすることで農家さんの選択肢を増やしたいと考えています。

規模の小さな農家さんが選べる販路はJAなどに偏ってしまっていて、それ故に価格交渉力を持てず、新たな販路を獲得することは困難です。また、多品目生産をしている生産者さんも多く、生産自体に手一杯になってしまい、収穫した後の売り先に困るといったケースも少なくありません。

このような課題解決をしていくために、生産管理面でのサポートや事前に販路を確保したうえで農業に取り組めるような仕組みを作っていきたいと思います。直販により「多少手間はかかっても利益を高くできる」という選択肢があれば、小規模の農家さんでも農地の広さに比例しない利益を得られるようになります。これからも、生産から販売までの包括的な課題解決に繋がるような事業展開を行っていきます。

生産者さんのこだわりが正当に評価されるための仕組みを作り、農業の流通革命に取り組む食べチョクの発展が楽しみだ。
食べチョク
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