アーティストやクリエイターが活躍し続けるには、支えてくれるファンの存在も欠かせない。今回はそのファンの「熱量」を可視化し、スコアリングするFanTech企業「SKIYAKI」を紹介する。独自のプラットフォーム構想から導き出されるエンタメ業界の新たなマーケット拡大について同社取締役の小久保氏に話を伺った。
マルチチャネルを活かしてファンの熱量を可視化
Q1.SKIYAKIの手がけるサービスについて簡単に教えてください。
ファンの行動履歴(熱量)を可視化する「bitfan」というファンマーケティングシステムを主軸に、その熱量を取得するための経路(チャネル)として、ファンクラブ、EC、電子チケットといった各種サービスをコンテンツホルダー様に対し提供させていただいております。近年は、この仕組みを誰もが簡単に利用できるようオープン化すべく開発を推進しており、現時点ではファンクラブ、ECサイトのオープン化が完了しています。 Webサイトもしくはアプリ上からbitfanの仕組みを用いることで、誰でもオーナーとして登録できファンコミュニティ形成に役立てることができます。
Q2.FanTech領域の事業を行う上でファンコミュニティの熱量を高めるためのコツは何でしょうか。
コンテンツホルダー様とファンの皆様との間の「距離感」であると考えております。bitfanでファンの熱量をスコアとして可視化し、そのデータをコンテンツホルダー様に対して提供することで、ファンの皆様の熱量に応じた距離感の構築に挑戦しております。どのようなコンテンツを提供すればファンの方々が喜び、より距離感が近くなるのかをプランニングすることが大切になってくるでしょう。
エンタメ業界以外でもファンを醸成する重要性とは
Q3.サービスを横断的に活かすオムニチャネルプラットフォームとはどのような構想なのでしょうか。
オンライン・オフライン問わず、ファンの行動履歴を熱量として取得できるチャネルを繋げていくことで、ファンの総合的な熱量をbitfanに集約していくのがオムニチャネルプラットフォーム構想になります。チャネルの例としてはファンサイト、ECサイト、電子チケットなどの各種サービスであり、それぞれのサービスでの行動、例えばファンサイトへの訪問や、無料会員入会、有料会員入会・継続などがカウント対象の熱量となります。また、各チャネルの開発は自社で行う場合がほとんどですが、当社に優位性がないチャネルの場合は他社様のプラットフォームを利用させていただく場合もあります。1つの例として挙げると、Twitterと連携することでファンサイトの情報をツイートすることがファンによる「拡散行動」の熱量としてカウントされます。今後は他社様のプラットフォームとの繋ぎこみをもっと積極的に展開していきたいと考えています。
Q4.最後に今後の展望とFanTechの可能性について教えてください。
音楽・エンタメ業界におけるFanTechの推進が当社のスタート地点ではございますが、直近ではサッカーチームをはじめとするスポーツチーム、飲食店、消費財メーカー企業様へのbitfan導入など、他業種におけるbitfan活用事例も増えてきております。加えて、佐藤尚之さんの『ファンベース』や、高橋遼さんの『熱狂顧客戦略』など、ファンの重要性を説く著書も出版されていることから、さらに企業の成長の1つのドライバとしてファンコミュニティの形成に注目が集まるのではと考えています。弊社も日々の営業活動の中で、大手企業様が「ファン」をいかに醸成していくかについて、大きな関心を寄せていることを痛感しており、新たなマーケットの可能性を感じている次第です。今後は、これまでエンタメ業界で得た知見を元にbitfanをより昇華させていき、全ての企業様とそのファンを笑顔にすることが、FanTechを掲げた弊社の大きな使命であると確信しております。
アーティストやクリエイターだけではなく、これからは1つの企業もファンを形成して、双方向のコミュニケーションが生まれるようなコミュニティが価値になってくるだろう。
bitfan