・地元の自然素材を使って建設
プロジェクト名は「terramia」。バルセロナの建築デザインスタジオ、MuDD Architects が“ミラノデザインウィーク 2019”のために出展した立派な作品であり、期間中にミラノ東南のロンバルディア宮殿内で実演された。建設期間はわずか5日間。材料は泥や竹といった地元の自然素材だ。竹はミラノから20キロ離れた森の中で調達。砂と粘土はミラノ郊外から掘り出した。土台となる骨格は竹で形成。数本の竹を縛ってアーチ型にし、その上にオーダーメイドの布地を被せる。土台が完成したところで、いよいよドローンの出番。アプリケーションを駆使し、泥を主原料とする断熱・耐水性のウェットミックスを吹き付けた。
・難民キャンプなど緊急時の住宅として供給
多くの3Dプリント住宅がそうであるように、「terramia」も人道的支援を目的としている。めざすのは最小限の労働力で対処できる自然素材の家を作ること。地元ですぐ入手できる原材料と最新のテクノロジーを組み合わせることで、旧式な建設プロセスや長い工事期間から離れたサスティナブルかつ費用対効果の高い住宅建築を提案している。今はまだプロトタイプの段階だが、将来的には難民キャンプなどの緊急住宅として役立たせたいとのこと。エコでリーズナブルな「terramia」に期待したい。
Mudd Architects