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横断歩道を渡りたい歩行者を人工知能で認識する歩行者用信号システムが開発される

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オーストリアのグラーツ工科大学の研究チームは、2019年5月、ウィーン市と共同で、人工知能(AI)によって横断歩道を渡ろうとしている歩行者を自動で認識し、信号を青色表示に変える次世代型の歩行者用信号システムの開発に成功した。

・歩行者を検知し、横断する意思を読み取ったうえで、信号を青に変える

この歩行者用信号機にはカメラが搭載され、縦8メートル、横5メートルのエリア内にいる歩行者を検知し、独自に開発された深層学習アルゴリズムにより、歩行者が横断歩道を渡ろうとしているかどうかを数秒以内に判断したうえで、信号を青に変える仕組み。

歩行者が押しボタン式信号機のボタンを押すよりも、3秒から4秒速いという。

また、歩行者が大人数で横断しようとしているときは、青色表示の時間を延長させたり、歩行者が信号待ちの間に横断歩道を渡るのを止めてその場から移動したら、青信号に変えずに赤色表示のままにするなど、交通の流れを最適化する機能も備わっている。

なお、カメラが撮影した歩行者の画像は、このシステム内で分析され、保存されることもない。

・2020年末までにウィーンで実証実験に着手する見込み

オーストリアの首都ウィーンでは、押しボタン式歩行者用信号機が200台設置されているが、歩行者が信号待ちを避けて、他の道を歩いたり、赤信号にもかかわらず横断するケースも少なくない。

現在、一連の研究成果について、グラーツ工科大学の研究チームからオーストリアの交通信号システム専門企業「Günther Pichler」への技術移転がすすめられおり、2020年末までには、この新たな歩行者用信号機の実証実験がウィーン市で開始される見通しだ。(文 松岡由希子)

TU Graz

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