ゲームによる依存症を疾病として国際疾病分類(ICD)にを盛り込んだ草案自体は、2017年に提出されている。約1年半の審議を経て、ようやくWHOの全加盟国による同意が得られたかたちだ。
改定後のICD-11版は2022年1月1日に発行される。
・生活に支障をきたし制御できない
ゲームへの執着を自覚する方も多いと思うが、新しいゲームが発売されるやいなや夜を徹してクリアを目指す人すべてがゲーム障害と診断されるわけではない。ゲーム障害には、主にデジタルのゲーム(ネットにつながっているかどうかは問わない)をする際に、自分で持続時間やタイミング、頻度が制御できず、ゲームが生活上の利益やほかの活動よりも優先されるといった特徴がある。
さらには、ゲームが家族や仕事など生活のコア機能に大きく支障をきたしていて、それでも12ヶ月以上連続して、あるいは断続的に行動パターンが続く場合にゲーム障害があてはまる。
・悪影響の程度も診断基準
これらの要件のうちいくつかを自覚する人もいるだろう。でも、たとえプロゲーマーが1日のうちのほとんどをゲームに費やしていたとしても、健全な生活が維持できていればゲーム障害ではない。たまに食事を抜くほどゲームに熱中するのは誰しもあることなので、診断基準は生活におよぼしている悪影響の程度ということになる。
診断基準についてはまだ曖昧なもので改善の余地があるようだが、ゲーム障害が正式な疾病と認められたことの意義は大きい。
これにより、たかだかゲームとあなどっていた人も、薬物やギャンブルと同等に深刻なものだとの認識が持て、ゲームとの付き合い方を考えるかもしれない。また自己責任論で捉えていた人の見方も変わるだろうし、有効な治療プログラムの開発など治療環境の整備にも期待できるだろう。
参照元:'Gaming disorder' is now officially recognized by the WHO/Mashable