テストを行うために昨年9月にアルファバージョンを立ち上げて展開してきたが、今回満を持しての正式展開だ。
・アクセス“跡”なし
Tor(トーア)はIPアドレスを秘匿したままネット接続できる通信システム。FirefoxをベースとしたTor Browserは、目的のサイトにたどり着くまでにいくつものリレーサーバーを経由していて、その過程でユーザーのIDを秘匿する。そしてデータ自体も暗号化され、誰もリレーをインターセプトすることはできない。そのため、ユーザーのサイトへのアクセスはまったく“跡”を残さないのだ。
・監視や検閲の対抗策として
今回の正式展開に伴い、Torのプロジェクトチームはブログを投稿し、「一部地域ではオンライン上でかなりの監視や検閲が頻繁に行われている」と指摘し、Tor Browserの意義を強調している。確かに、アクセスしたサイトから、IPアドレスをたどって個人が特定されるというのは気持ちの良いものではない。ましてや、調査を行う機関や、取材を行うジャーナリストなど、繊細な情報を扱う人はどのサイトにいつどこでアクセスしたか秘匿する必要がある。
Tor Browserは誰でも利用することができるので、Android端末を愛用している人でプライバシーを確保したい人は利用しない手はなさそうだ。
Tor Browser