空港内に専門施設が建設される計画で、これが実現すれば、世界で初めての事例となる。
・大気中の二酸化炭素を回収し、再生可能ジェット燃料に転換
この実証実験には、特殊フィルターに二酸化炭素を吸着させて大気から分離する独自技術「DAC(ダイレクト・エアー・キャプチャー)」を開発を開発したスイスのスタートアップ企業Climeworks(クライムワークス)ら、欧州のテクノロジー企業が参加している。ClimeworksのDAC技術によって大気中の二酸化炭素を回収し、電気分解を通じて合成ガスに転換した後、さらに合成炭化水素に変え、ジェット燃料をつくるという流れだ。
1日に生成されるジェット燃料は、過去最大規模の約1000リットルとなる見通し。
なお、一連のプロセスに要するエネルギーは、空港内のソーラーパネルで発電した太陽光エネルギーによってまかなわれる。
・航空業界からの二酸化炭素排出量が全体の約2%を占めている
航空業界の持続可能性の向上に取り組む国際的な業界団体ATAGによると、世界の航空業界が排出する二酸化炭素量は2017年時点で8億5900万トンにのぼり、人為的な二酸化炭素排出量全体の約2%を占めている。航空機は、自動車と異なり、電力や水素燃料への転換が難しいことから、この実証実験を通じて、再生可能ジェット燃料のさらなる開発を推進し、航空業界のカーボンニュートラル化に寄与したい考えだ。(文 松岡由希子)
Rotterdam The Hague Airport