イタリア技術研究所(IIT)が開発したイヌのような四つ足ロボット「HyQReal」は重さ3トンの小型飛行機を牽引できる。将来的には災害現場などでの活用を描いている。
・地面踏みしめ一歩ずつ
IITはこのほど、イタリア・ジェノバ空港でHyQRealがピアジオ製の小型飛行機を牽引する様子を収めたビデオを公開した。飛行機は翼幅14メートル、重さは3300キロだ。
一方のHyQRealは長さ133センチ、高さ90センチ、そして重さは130キロ。明らかに飛行機よりもずいぶん小さいが、地面を踏みしめるようにゆっくりと足を一歩一歩前に出し、ケーブルでつながれた飛行機を引っ張って動かす。
・瓦さきの除去に
実はHyQRealは、7年前にIITが発表したロボットHyQの後継だ。今回は油圧ポンプで動く電動モーターを4つ搭載するなどバージョンアップしている。そしてコンピューターも内蔵していて、これによりナビゲートすることができる。
飛行機を引っ張るシーンは「空港で使うのか?」と誤解を招きそうだが、これはあくまでもHyQRealがいかに力持ちかを見せるためのデモンストレーション。
実際は、災害などの現場で巨大な瓦れきや倒木を除去するなどの活用法を開発チームは想定している。重機などの持ち込みが難しいような現場では特に活躍しそうだ。
デモンストレーションの様子はこちらから閲覧できる。
IIT
(文・Mizoguchi)