そのPanicが今度は、携帯ゲーム機「Playdate」を開発中との情報が飛び込んできた。
・「ゲームボーイ」似の携帯ゲーム機「Playdate」だが…謎のハンドルが
「Playdate」は、任天堂の「ゲームボーイ」に似た形状の小型デバイスで、分厚いボタンや十字キーのほか、“手回しハンドル”が搭載されているのが目を引く。開発元のPanicによると、「Playdate」はとにかく現状発売されている既存のゲームとは一線を画すものにしたかったという。見た目は思い切ったイエローカラーで、取っ付きやすさ、親しみやすさを意識した、と共同創立者のCabel Sasser氏は語る。
・手のひらサイズのコンパクトさ
ハードウェア部分について説明すると、大きさは74×76×9mmで2.7インチディスプレイのとても小さいサイズ。バックライトなしの白黒の反射スクリーンで、2つのボタン、方向キーのほか、端末のサイド部分に手回しハンドルが搭載されている。もちろん、この手回しハンドルは電子デバイスの充電に用いるものではない。これはユニークなコントロールオプション。いわばアナログスティックのようなもので、延々と回し続けることができる。
・白黒スクリーンだが実はハイスペック
これだけ見ると、「Playdate」はローファイに思われるかもしれないが、実は違う。スクリーンにはグリッド線が表れることはなく、ぼやけもない。とてもシャープでクリアな画面で、「ゲームボーイ」に比べるとはるかに高解像度。いってみると“プレミアム白黒スクリーン”のような存在だという。・デザインはスウェーデンのTeenage Engineeringとコラボ
「Playdate」はWi-Fi、Bluetooth通信に対応、USB-Cポート、ヘッドフォンジャックを搭載している。Panicが独自開発したOSで起動し、バッテリーはUSB-Cポートで充電をおこなう。レトロ風なのにどこか格好いいデザインなのは、スウェーデンのオーディオ会社Teenage Engineeringとコラボレーションしたおかげ。同社は美しいシンセ製品で知られる。ハンドルのアイデアも同社の発案だという。
・著名クリエイターが手がける12タイトルが毎週配信
「Playdate」のソフトウェアについても説明しよう。「Playdate」ではカートリッジを買ったり、ゲームをダウンロードして遊ぶのではない。“season”と呼ばれるゲーム配信の仕組みで、「Playdate」専用に開発された12のゲームタイトルが毎週ごとに届けられる。最初に電源を入れたときには1つのゲームタイトルのみプレイできるが、週ごとに新しいゲームがロック解除されていく。
Panicは「Playdate」のために精鋭のクリエイターを集めている。最初のゲームは「Crankin’s Time Travel Adventure」というタイトルで、これは日本でも話題となったゲーム「塊魂」の高橋慶太氏がデザインした。
氏によると、「このゲームはハンドルを使用することで、時間の経過を前後させることができる。目的は主人公のCrankinを操作し、Cranketteとのデートに間に合わせること。そのために様々な障害物を避けながらゴールを目指す」という内容だという。
その後のラインナップでは、「Qwop」の作者Bennett Foddy氏、「The Last Rocket」のShaun Inman氏、「Really Bad Chess」「Flip Flop Solitaire」のZach Gage氏など、錚々たる顔ぶれの作品が大集結。
Panicによると、一度ロック解除されたゲームは無期限でプレイすることが可能とのこと。今後の“season”配信計画については、デバイスの売れ行きを見てから考えるという。
「Playdate」は2020年早くに、149ドル(約1万6400円)で発売予定で、今年遅くに予約注文を開始する見込み。どこの国を配送可能エリアにするかは、まだ検討中とのこと。
見た目だけでも楽しそうな、レトロ風なのに新しい「Playdate」。プレイできる日が楽しみである。
The Verge