背景
わが国では政府が2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにし、カーボン・ニュートラルを目指すと宣言するなど、脱炭素社会の実現に向けて、エネルギーシフトの動きがいよいよ加速しつつあります。中でも洋上風力発電については、将来の主力電源の1つとして位置づけられ、その発電能力を2040年までに大型の火力発電所に換算して30基分以上に拡大するとされるなど、今後の市場拡大が最も期待される分野の一つです。
洋上風力発電所の建設にあたっては、風車の基礎設計や発電所のレイアウトデザインを検討するため、建設海域の海底地盤調査を行う必要があります。地盤調査では、海上に足場を設置し、その上からボーリングによるSPT調査 (1)を行うことが一般的です。しかしながら、SPT調査は、地盤の性状を詳細に把握するために欠かせない調査法ではあるものの、洋上風力発電のように広域な事業エリアにおいて多数の地点での地質調査を行う必要がある場合には、調査時間の長さとコストの高さなどが課題となることがあります。このため、洋上風力発電の先進国である欧州では、調査船によるCPT調査(2)が主流となっており、今後、市場の急速な拡大に対応するためには、SPT調査とCPT調査を組み合わせた効率的な地盤調査方法の運用が必要となります。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/47274/table/29_1.jpg ]
協業の概要と今後の展開
日本郵船とFugroは、既に自航式CPT調査船の共同運航およびCPT調査サ-ビスの国内展開に向けて提携しており、SPT調査を含む地盤調査全般において強みを持つ弊社がこの提携関係に加わることで、SPT調査とCPT調査の理想的な補完関係を実現することができます。また、3社が協業することで、各種の海底地盤調査結果を連携させることができるようになり、多様なお客様ニーズにも対応した付加価値の高いトータルな調査サービスが提供できることから、弊社の既存ビジネスのさらなる成長に繋がることも期待されます。
弊社と日本郵船、Fugroでは今後、協業の覚書に基づき、日本での洋上風力発電事業における総合的な海底地盤調査サービスの提供について、具体的な検討を進めてまいります。
<日本郵船株式会社の概要>
本社:東京都千代田区
代表取締役社長:長澤 仁志
ウェブサイト: https://www.nyk.com/
<Fugro N.V.の概要>
本社:オランダ ライツヘンダム
CEO:MARK R.F. HEINE
ウェブサイト:https://www.fugro.com/
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