源氏香から着想を得た作品「ウッドカッツ」全52作が揃うほか、絵画や彫刻までを含む全85点の作品で構成された展覧会。
舘鼻則孝 個展 “WOODCUTS”
2019年9月7日(土)~10月12日(土)
KOSAKU KANECHIKA |TERRADA ART COMPLEX
舘鼻則孝による新作個展「WOODCUTS」が、9月7日に開幕しました。
会場となるKOSAKU KANECHIKAは、日本のアートシーンを牽引するギャラリーが集まるTERRADA Art Complex 5階にスペースを構えています。
展覧会名でもある『ウッドカッツ』は、源氏物語をモチーフとして300年程前の江戸時代に成立した源氏香と呼ばれる日本独自の香文化から着想を得た作品であり、香りの日本文化を視覚的に表現した作品群です。源氏香とは、組香と呼ばれる競技形式の香りの鑑賞方法のことで、順に炷かれた香りの異同を判ずるだけでなく、それをもとに図案を表します。その図案である源氏香の図は、源氏物語の全54帖のうち52帖の巻名が付されていることから、そのように呼ばれています。また、平行四辺形に5本の直線の構成のみで成り立つ様式化された文様は、彫刻とも絵画とも取れる形式を構築し、著名なアメリカ人アーティストのドナルド・ジャッド(1928年~1994年)が1960年代に提唱したミニマリズムの概念である「スペシフィック・オブジェクト」を背景に作品化されました。
舘鼻の代表作でもあるレディー・ガガの履く『ヒールレスシューズ』は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)での展覧会「Items: Is Fashion Modern?」にて、舘鼻のヒールレスシューズが出展された際のプラットフォームシューズの進化を表現した展示構成へのオマージュとなっています。
昨年に続き、日本屈指の刀匠である河内國平氏の日本刀を用いた彫刻作品の新作『ヴォイドスカルプチャー』も公開されています。アクリルの塊の中に、火炎の姿を質量の無い空洞で表した本作は、フランスの哲学者ロラン・バルトの著書「表徴の帝国」から着想を得たシリーズ作品です。
本展のために新たに創作されたペインティングは、22点にも及び、中でも5点の大型作品が目を引きます。モチーフとなっているのは、舘鼻作品に度々用いられている雷と雲です。自然界の中で、形の無いモチーフを視覚芸術として具象表現し絵画作品として昇華しています。
アーティストプロフィール
舘鼻 則孝(たてはな のりたか)
1985年、東京生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で幼少期から手でものをつくることを覚える。東京藝術大学では染織を専攻し遊女に関する文化研究とともに友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。卒業制作であるヒールレスシューズは花魁の下駄から着想を得たものである。近年はアーティストとして展覧会を開催する他、伝統工芸士との創作活動にも精力的に取り組んでいる。2016年3月には、仏カルティエ現代美術財団にて人形浄瑠璃文楽の舞台を初監督「TATEHANA BUNRAKU : The Love Suicides on the Bridge」を公演した。作品はニューヨークのメトロポリタン美術館やロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館など、世界の著名な美術館に永久収蔵されている。2019年10月5日から12月1日まで、アメリカ・オレゴン州のポートランド日本庭園にて個展「NORITAKA TATEHANA: Refashioning Beauty」を開催予定。
開催概要
展覧会:WOODCUTS(ウッドカッツ)
会 場:KOSAKU KANECHIKA 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 5F
会 期:2019年9月7日(土)~10月12日(土)
開館時間:11:00 – 18:00(火・水・木・土)/ 11:00 – 20:00(金)[休廊:日・月・祝]
会場ウェブサイト:http://kosakukanechika.com/
入場料:無料
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