実験に参加した農家では、春から夏にかけてビニールハウスでの完熟トマトの栽培に注力されていますが、栽培環境の管理は生産者自身の感覚や知識、経験に基づいた作業となっており、生産性の向上やノウハウの蓄積に関して課題がありました。そこで今回の実験では、冬場に栽培している葉物野菜を対象に、西菱電機が商用化を進めているSeiryo Business PlatformのIoTサービスを用いた「見える化」を通じて、定量的なデータに基づく栽培環境の管理を実現しました。
具体的には、参加した5名の農家の方々が管理するビニールハウスにLoRaWAN™対応の環境センサーを設置し、各センサーが収集した温度、湿度、気圧、照度、二酸化炭素濃度、土壌温度、土壌水分の7種類のデータをクラウドに集約することで、場所を問わずリアルタイムな栽培環境の監視および履歴情報のデータ化ができるようになりました。これにより、温度をもとにした換気の実施や土壌水分の推移をもとにした水やりの回数の削減等の成果が見られました。また、委託業務の期間終了後も西菱電機と伊丹市農業青年研究会で協力し、トマトを対象とした検証を進めています。
西菱電機は今後も情報通信の力で、豊かで安心・安全・快適な社会の実現に取り組みます。
※「LoRaWAN™」とは、低消費電力、長距離通信を特徴とするLPWA(Low Power Wide Area)通信方式のひとつで、無線局免許が不要となる920MHz帯を利用する無線通信規格です。LoRaWAN™の名称は、Semtech Corporationの商標です。
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