しかしそうしたプロセスを踏まなくても、いとも簡単に写真のようにリアルに描くことができるようになる技術がNvidiaから発表された。人工知能や機械学習などをフル活用したソフトウェア「GauGAN」だ。
・「描く」より「タップ」
GauGANでは、描くツールとして鉛筆、ブラシ、ペイントがあるが、実際には「描く」というより「クリックする」作業がメーンとなる。たとえば草原の向こうに山が連なる風景画を描くとしよう。GauGANには「山」「草」などのオブジェクトボタンが用意されていて、山を描きたいときにはそのオブジェクトのボタンをタップしてから輪郭を描くと、その部分があっという間に山になるのだ。
草原に木を生やしたいときは、「木」ボタンをタップして縦に1本線を引き、葉の部分の輪郭を加えるだけで、木が出現する。
・草原も雪原も思いのまま
オブジェクトボタンは他にも「空」「川」「岩石」花」「道」「丘」「雪」などと多数用意され、タップするだけで草原にしたり雪原にしたりといったことができる。ここまでくるともうマジックのようだが、この技術を支えているのが深層学習。100万枚もの画像を学習させ、さらには単に画像の寄せ集めにするのではなく、全体的に自然な仕上がりになるようにさせたという。たとえば、湖などを描くと、湖面にはリフレクションも加わるという緻密さだ。
是非とも使ってみたいという人は少なくないかと思うが、残念ながらNvidiaはGauGAN商品化の可能性などは一切語っていない。ただ、公開されたビデオを観ると、いかに高機能なのかは伝わってくるので興味のある人はのぞいてみてほしい。
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