研究チームは盲目の人の75%が光を感知できるという点に着目した。「Assisted Vision」は2つのカメラ、ジャイロスコープ、コンパス、GPSを搭載していて、それらからのデータがセンサーに集められる。そのデータから、センサーはユーザーの10センチ以内のものの動きや方向などをとらえることができる。情報はさらに携帯型プロセッサーに送られ、イメージ処理されて眼鏡のディスプレーに表示される仕組みだ。
ディスプレーに有機発光ダイオードを使うことで、ユーザーは色の違いや強弱を識別できるのだという。また“見た”物が動いているのか、静止しているのかも分かるようになる。Assisted Visionにはヘッドフォンや、テキストを音声化するソフトウェアもついていて、それらを活用すると道案内や路線バスの系統(番号)を認識できるようになるという。
研究チームによると、この眼鏡は白内障や、黄斑変性、糖尿病網膜症などを患っている人に特に有効で、使用するにあたっては特殊な訓練などは必要ない。眼鏡の外観は通常のものとさほど違いはないという。テクノロジーの力で失った視力を取り戻せるのなら、これほど有用な用途はないだろう。
Assisted Vision