一般に、新しい発明について特許権を得ようとする場合、先行技術の存在や第三者が保有する特許権等の権利侵害の可能性などを明らかにするべく、特許調査が実施される。
特許調査にあたり、日本の「特許情報プラットフォーム」や米特許商標庁(USPTO)の「PatFT」、欧州特許庁(EPO)の「Espacenet」など、公的な特許情報データベースがオンラインで開放されているものの、個別の調査には相応の時間を要することが多い。
・発明技術にまつわる情報が瞬時に検索できる専門データベース
「Octimine」は、独ミュンヘンで2015年に創設された「Octimine Technologies」が独自に開発した特許情報データベースである。
特許情報や科学雑誌、製品情報、ニュース、ブログなど、科学や技術にまつわる情報が広く網羅されており、キーワードで検索すると、類似特許の一覧に加え、該当技術のライフサイクル、特許の経済的価値や法的リスクなどが表示される仕組み。
独自の“意味解析手法”により、精度の高い検索結果を瞬時で導きだせるのが特徴だ。なお、「Octimine」の課金モデルには、いわゆる“フリーミアム”を採用。機能は限られるものの、会員登録をすれば無料でも利用できる。
・一流大学や大手メーカーでも導入実績あり
「Octimine」は、これまでに米ハーバード大学や独ゲオルク・ジモン・オーム大学ニュルンベルクといった高等教育機関のほか、大手メーカーのシーメンスやスポーツ用品メーカーのアディダスグループなどでも導入実績がある。
データ解析技術が特許調査という比較的ニッチなニーズに応用されている点からも、ユニークなプラットフォームといえるだろう。
Octimine