糖尿病を患っている人、また血糖値が高めという人にとって血糖値の把握は欠かせない。そのための測定器は数多く販売されている。
医療機関に足を運ばなくても測定できるのはいいが、それらのほとんどは小さな針を刺して採血する必要がある。少量の血液で測定できるものの、毎回針を刺すのに抵抗がある人もいるだろう。
そこで、ロンドン拠点の医療スタートアップMediWiseが開発中の機器が、採血不要の血糖値測定デバイス「GlucoWise」。痛みから解放される上、データをスマホなどで管理できる便利さも併せ持つ。
・高周波電波で測定
GlucoWiseは手の親指と人差し指の間に押さえつけて使う。針を刺して採血する代わりに、高周波電波を使って血糖値(グルコース)を測定する。
親指と人差し指の付け根で測定するのは、その部分は厚みがないから。そして測定の際は、ナノ粒子フィルムを活用したセンサーで、電波が皮膚組織を通過しやすいようにしているのだという。
測定にかかる時間は10秒以下、毛細血管レベルで血中グルコース濃度を測ることが可能とのこと。
・予測してアドバイスも
また、GlucoWiseのメリットは、採血の痛みから解放されることだけではない。測定結果はモバイルアプリにすぐさまワイヤレス送信され、ユーザーはデータをそこで一括管理できる。
加えて、GlucoWiseには管理システムも用意されていて、直近のデータに基づいて今後の血糖値を予測してアドバイスもする。ユーザーはそのアドバイスを参考にしながら食事に注意したり薬を服用したりすることで血糖値をコントロールできるわけだ。
このGlucoWiseの開発には、ウェストミンスター大学やキングスカレッジ・ロンドンの研究者らも協力しているという。
糖尿病患者は日本だけでも300万人を超え、世界的に増加傾向にある。予備軍も含め、広く需要のあるデバイスとなりそうだ。